「その通りです」とLLM(大規模言語モデル)は答えます。「私の勘違いでした。」
AIワークフローの中でこのような言葉を目にしたことはありますか?誤った出力ほど信頼を損なうものはありません。そのため、意思決定や予測の支援にAIを全面的に信頼している企業が現在わずか4分の1にとどまっているのも不思議ではありません。
それでも、AIがビジネスに不可欠な存在であることは間違いありません。10社中9社がAIを活用しており、そのうち64%がAIはイノベーションを推進していると回答しています。
では、実験段階から信頼できる本番運用へと、どのように移行すればよいのでしょうか。AIを大規模に活用しながら、検証可能で再現性のある成果を得るにはどうすればよいのでしょうか。この記事では、先進的な組織のAI活用を支えているフレームワークをご紹介します。
なぜ組織は依然としてAIを信頼できないのか
当社は1,400人のIT部門およびビジネス部門のリーダーを対象に、AIワークフロー導入における最大の障壁について調査しました。2人に1人(49%)が「不正確または偏った出力」を挙げました。また、38%は「人間による監督なしにAIへ意思決定を委ねることへの抵抗感」を挙げました。
さらに、データに関する課題もありました。データの準備はAIワークフローを成功させるうえで欠かせない要素です。しかし、組織の半数は依然としてデータ品質の低さやデータの分断という課題を抱えていると回答しました。LLMの活用を始めるために完璧なデータは必要ありませんが、信頼できるデータは不可欠です。
VURA:信頼できるAIのためのフレームワーク
この信頼のギャップを埋めるには2つのことが必要です。まず、組織にはAIシステムをデータやビジネスを最もよく理解している人々と結び付けるロジックレイヤーが必要です。事業部門のチームやアナリストは傍観者であってはなりません。AIの出力に反映されるロジックが実際の業務運用を正しく表すものとなるよう、AIワークフローの構築と検証に携わる必要があります。
次に、AIのワークフローやプロセスは、可視性、理解可能性、再現性、監査可能性を備えていなければなりません。これらの原則をまとめたものが、私たちが組織による信頼できるAIシステムの構築とスケールを支援するために開発したフレームワーク「VURA」です。これらのガイドラインはデータとAIの出力結果の両方に対する信頼の構築に役立ちます。エンタープライズ・インテリジェンスを実現するには、その両方が欠かせません。
可視化可能(Visible)
可視性とは透明性のことです。AIワークフローは、使用されるデータや適用されるロジックがブラックボックス化されていてはなりません。AIツールを利用するすべての従業員は「この答えはどこから得られたのか」と「この結論はどのように導き出されたのか」という2つの質問に答えられる必要があります。そうでなければ、従業員は誤った情報に基づいて業務を進めてしまう可能性があります。その結果、お客様に誤った情報を提供したり、重大な影響を及ぼす意思決定を下してしまったりするおそれがあります。
それでもなお、これらの問いに明確に答えられない場合はガバナンスを強化するか、現在のAIやデータソリューションが適切に機能しているかを見直す必要があるかもしれません。AIを複数のチームで活用する場合、可視性は特に重要になります。
理解可能性(Understandable)
ChatGPTやGeminiのようなツールが複雑で曖昧なプロンプトを理解し、知的で的確な回答を返す様子は、まるでSFの世界のように感じられることがあります。
しかし、自然言語でほぼあらゆる質問をしたり回答を得たりできるようになったからといって、ビジネスの基本を軽視してよい理由にはなりません。AIシステムは技術的な知識を持たないビジネスユーザーにも出力結果の根拠となるロジックを説明できなければならず、さらにビジネスの専門家がその出力結果を検証できる必要があります。
反復可能
「再現可能」とは、同じAIツール、データ、プロンプト、ビジネスロジックを使用した場合、AIが毎回同じ結果を返すことを意味します。同じ質問をAIに投げかければ、誰が利用しても同じ答えが得られるべきです。AIシステムやワークフローが、あるときは優れた回答を返し、その次には明らかに誤った回答を返すようでは、本番環境で運用できる状態とは言えません。そのようなAIは信頼できません。
再現性を実現するには文書化も欠かせません。チームが信頼性の高い結果を生み出すプロンプトやプロセスを見つけた場合は、それらを記録し、共有する必要があります。
監査可能
監査可能なAIプロセスとは、何が起きたのかを後から確認できることを意味します。つまり、証跡が残っているということです。回答やレポートに不自然な点が見つかった場合は、ワークフローの責任者、使用されたデータやプロンプト、システムがたどったロジック、そして人による判断や監督がどこで行われたかを追跡できる必要があります。監査可能性はAIシステムだけでなく、その背後でシステムを構築・運用するエンジニアに対しても、適切なチェックアンドバランスを実現します。
今すぐ信頼できるAIシステムの構築を始めましょう
AIがスケール可能なビジネス価値を生み出すためには、信頼できるデータとビジネスロジックを基盤としていることが不可欠です。こうしたシステムを本番環境で運用するには、AIワークフローが可視性、理解可能性、再現性、監査可能性を備えていることを確保する必要があります。
Alteryxは、AIを実験段階のパイロット運用から信頼性の高い本番環境へと移行するための変換機能とビジネスロジックを担うレイヤーです。データがどこに存在していても接続でき、ビジネスユーザーが自身の専門知識をAI活用ワークフローに反映できるよう支援するとともに、データとAIシステムの双方に必要なガードレールを提供します。
Alteryxを活用することで、ビジネスに最も近い担当者がデータの準備や活用方法を主導できる一方、IT部門はエンタープライズ利用に必要なガバナンスと監査可能性を確保できます。こうしてAIの成果は信頼できるものになります。そして、その積み重ねがエンタープライズ・インテリジェンスを実現するのです。
