テクノロジーの世界は、データを中心に回っています。 あらゆる組織が、多数のソースから膨大なデータを収集し、大金を投じてそれらのデータを保管し、処理することで、組織の改善、迅速化、強化を図っています。 データ分析は、どのような業界や分野においても不可欠な存在であり、より良い意思決定、ビジネスアプローチの改善、問題の拡大防止、問題解決、目標達成の迅速化、ビジネス戦略の改善など、さまざまな形で価値をもたらしています。
データは、組織が持ち得る唯一にして最大の強みです。 しかし、データを正しく管理し 、最適なインサイトを引き出したり、予測を実行したりできるデータ専門家は慢性的に不足しています。
データ専門家は、幅広い専門知識や専門性を有しており、 データを分析して有用な情報に変換するデータエンジニアリング、データマイニングや統計分析、クラウドおよび分散コンピューティング、データベース管理、アーキテクチャ、ビジネスインテリジェンスや機械学習、データ可視化など、その活躍の場は多岐に渡ります。
ここ数年、データ専門家に対する需要は圧倒的に高い水準にあります。LinkedInのデータによると、データサイエンスの仕事は2012年以来650%増加しています。Glassdoorによる統計もこの数字を裏付ける結果となっており、2016年に同サイトが掲載したデータサイエンスの求人情報は約1,700件だったのに対し、2018年には4,500件に増加、2020年には6,500件とやや頭打ちの状態で着地しています (ただしこの停滞はCOVID-19に起因するものです)。米国労働統計局の報告によると、データサイエンス分野は2026年までに約28%の成長が見込まれ、今後さらに高度なスキルが求められることが予測されています。また、データ専門家へのニーズが高まるにつれ、基幹業務ユーザーのスキルアップや新たな業務スタイルへの適応も求められるようになっています。
今後COVID-19によるパンデミックが終息へと向かい、「いつもの生活」が戻ってくると、記録的な数のデータワーカーが退職し始めることが予想されています。これまでのところ、中堅社員や医療・テクノロジー分野の従業員の退職率が高いという報告があり、このような「大退職」は、組織が優秀なデータワーカーを獲得する絶好のチャンスとも言えます。
こうした市場環境の変化に対応するため、採用担当者や組織には、柔軟な採用プロセスへの移行が求められるようになっています。データワーカーの採用において、採用担当者が直面する課題には次のようなものがあります。
データワーカー採用時の課題
人事部やデータ専門家が新しい人材の採用を成功させるためには、数々の高い障壁に立ち向かう必要があります。 組織がプロセスを最適化しない限りは、優れた人材を逃してしまう恐れがあります。
時間のかかる採用プロセス
データワーカーの採用活動は、時間も労力もかかるため、雇用者と候補者の双方にとってハードルの高いものとなっています。 その主な理由の 1 つは、平均的な採用プロセスにおけるスキルの確認サイクルの長さです。 データサイエンスは常に進化しているため、企業が求人の要件を正確に把握できていないことは珍しくありません。 人事部とデータ専門家を必要とするチームとの間には大きな隔たりがあるのです。
そのため、面接プロセスが複雑化し、多くの場合 5 ~ 6 回のやり取りを経て、実技試験や候補者によるプレゼンテーションなどが行われることとなります。 この間に、求められる職務内容が変わると、まったく新しい候補者を検討しなければならなくなったり、同じ候補者が別の基準で面接を受けるように求められることもあります。 この問題の原因は、企業のニーズと、データサイエンティストがそれにどのように応えられるかが明確になっていないことにあります。
何度も選考を受けながら、採用に至らないということは、候補者を大きく落胆させます。 プロセスが複雑で時間がかかり、他にも面接を受ける候補者が多数いるとなると、優秀な候補者が脱落してしまう可能性があります。
応募要件とスキルのミスマッチ
データサイエンティストに対する実際のニーズが明確でないために、候補者と実際の役割とのミスマッチが生じがちになっています。 人工知能(AI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、機械学習(ML)などに関する高度な専門知識を有するデータサイエンティストを必要とする場合、平均的なサイエンティストのスキルを備えているのみでは不十分です。 逆に、ML や AI を自在に操る高い能力を持つデータサイエンティストが、プレゼン用の見栄えの良いグラフを作成するためだけに雇われたとしたら、スキルと応募要件のミスマッチが起きていると言えるでしょう。 このようなケースにおいては、データサイエンティストチームのモチベーションが下がる一方で、企業は何のメリットも得られません。
潜在能力よりも技術力を優先
データサイエンスの専門家がさまざまな職種の面接を受ける際、潜在能力よりも技術力が優先されるケースが増えています。そして、完璧な候補者を求めるあまり、大きな可能性を秘めた有能な候補者を逃してしまうという事態が多発しています。採用担当者がデータサイエンス職の現実的な要件を理解せずに選考しているため、理想的な候補者がふるい落とされてしまっているのです。
また、データテクノロジーに関する専門的な資格の有無にこだわりすぎることも、優秀な人材の見逃しにつながる恐れがあります。
リモートワークやフレキシブルな働き方への需要の高まり
COVID-19 は、職場のあり方を一変させました。 在宅勤務やフレックスタイム制が生産性に悪影響を与えないことが分かり、 職場に出向く必要のない多くの人々が、そうした柔軟性の継続を求めるようになってきたのです。 こうした COVID-19 の影響は、「大退職」を引き起こす主な理由の 1 つとなっています。
フルタイムでのオフィス勤務職を募集する多くの企業が、適切な候補者を面接に招くことが難しいと感じています。 フレックスタイムやリモートワークの導入がパフォーマンスを低下させるという懸念は杞憂に過ぎず、そうしたニーズに柔軟に対応しなければ、優秀な候補者を失うリスクがあります。
データ専門家を採用する採用担当者へのヒント
採用における現実とニーズの乖離が起きている中で、組織がデータ専門家を採用する際に考慮すべきベストプラクティスのいくつかをご紹介します。
採用を通して解決したい問題を明確にする
多くの場合、企業はデータサイエンティストがどのように役立つのか分からずにいます。 その結果、オーバースペックなスキルを持つ(もしくはスキルが十分でない)専門家が採用されてしまい、求める役割にマッチしないことがあります。 まずは、どのようなデータの問題の解決を目指しているのかを理解することが重要です。
その上で、応募資格についての明確な要件を提示し、それに基づいて候補者を絞り込んでいきましょう。 これまでのマニュアルや技術者以外のスタッフの採用手順を踏襲するのではなく、他のデータサイエンス担当者に指針を求めることをお勧めします。 これにより、適切なプロフェッショナル人材のプールから採用を行うことが可能となります。
組織の成長マップを考慮する
採用担当者は、自社が直面している特定の問題の解決に向けて人材を採用する傾向があります。 しかしながらデータサイエンスにおいては、先を見据えた採用が重要です。 つまり、そのプロフェッショナルが今後もスキルを伸ばすことが可能であり、企業の成長軌道を支える存在となりうるかどうかを見極める必要があります。 また、リーダーシップや先見性を備えているかを見ることも大切です。 このような将来的なビジョンを候補者に伝えることで、入社への動機付けを行うことも可能になります。
最適な候補者を迅速に採用する
データサイエンティストの採用面接は、延々と続くのがお決まりのパターンとなっています。 これでは、候補者の意欲が低下する一方です。 求める人材像が明確になったら、すみやかに採用することが、ベストな人材を確保するための鍵となります。 候補者は他社にも応募している可能性が高いため、先を越されないようにしましょう。
可能性を見据えて採用する
データサイエンティストの採用の幅を広げてみましょう。適切なスキルだけでなく、理論を駆使し、組織の問題解決に応用できる素養があるかどうかを見極めましょう。スキルアップに興味があるかどうか、データで会社を前進させるために何が達成できると考えているかを尋ねてみることをお勧めします。優れたデータサイエンティストは、データを扱う能力だけでなく、コミュニケーションにも長け、研究者、プレゼンター、積極的な働き手としての資質も備えている必要があります。
データサイエンティストは貴重な存在
データサイエンティストの重要性を過小評価しないようにしましょう。 データサイエンティストは組織に次のような多大な価値を もたらします。
- データを使って潜在的なリスクを特定し、リスクを軽減
- 全社的なデータ分析により、より適切な商品やサービスの創造を支援
- ビジネス成功の鍵となる顧客体験を向上させ、顧客離れを抑制
- データに基づく定量的な裏付けにより、より良い意思決定を実現
- 企業のビジネスチャンスを広げ、ターゲット層をより明確化
適切なデータサイエンティストの雇用により、ビジネス部門の強化が可能となります。 データ分析は人事プロセスにおいて、従業員の適性や生産性、長期的な雇用を確保するために役立ちます。 Alteryx は、採用時に役立つ多彩な分析ツールを備えています。
たとえば、X社がデータマイニングのスキルを持つデータサイエンティストを採用しようとしているとします。X社は既存のチーム内において、このポジションを募集しました。その結果、400通もの履歴書が殺到することとなりました。このような場合にAlteryx Intelligence Suiteを使用すれば、要件リストに一致する上位10人の候補者を絞り込むことができます。また、分析時に候補者の名前を削除することでバイアスを軽減し、採用担当者が候補者の実力に焦点を当てて採用できるようになります。Intelligence Suiteでは、このような一連の作業を瞬時に行い、有望な候補者との綿密な面談を実現することができます。
プログラミング、統計、数学など複数の分野が統合されたデータサイエンスをうまく活用することで、提供する機能、サービス、顧客満足度を向上させることができます。データサイエンスの可能性を引き出せる適切なデータ専門家を採用することが企業の成功の鍵となります。
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